【夏休み最後の宿題にも】親子で楽しむ、都会の星空観察スポットと撮影術

夏休みも終盤、お子さんの自由研究のテーマはもう決まりましたか?もし「まだ!」という方がいたら、今年の夏はちょっと変わった自由研究に挑戦してみませんか?それは、「都会の星空観察」です。

「都会で星なんて見えるの?」そう思った方もいるかもしれません。確かに、都会の夜空は街の光に邪魔されて、満天の星を見るのは難しいでしょう。でも、諦めるのはまだ早い!工夫次第で、都会の片隅でも意外とたくさんの星を見つけられるんです。

この記事では、親子で一緒に楽しめる都会の星空観察のポイントから、都心でも意外と星が見えるスポット、そしてスマホで簡単に星空を撮影するコツまで、詳しくご紹介します。夏休みの素敵な思い出作りと、最後の自由研究を兼ねて、ぜひ夜空を見上げてみてくださいね。

クラもん
クラもん

工夫すれば素敵な内容に仕上がりますよ

都会の星空観察、なぜ「夏」がおすすめ?

星空観察というと、空気が澄んだ冬をイメージするかもしれません。しかし、実は夏も星空観察には魅力がたくさんあるんです。
まず、夜になっても気温が高いため、長時間外にいても体が冷えにくいというメリットがあります。特に小さなお子さんと一緒の場合、寒さ対策は重要ですよね。また、夏の大三角と呼ばれる美しい星の並びや、天の川が最も見えやすい季節でもあります。そして何より、夏休みという長期休暇があるため、普段は夜更かしできないお子さんも、心ゆくまで星空観察を楽しめる絶好のチャンスなのです。
さらに、8月はペルセウス座流星群など、大きな流星群が見られる時期でもあります。運が良ければ、流れ星に願い事をすることもできるかもしれませんよ。

都会で星を見るための「3つのコツ」

都会の光に負けずに星を見るには、いくつかのコツがあります。

1. 光害の少ない場所を選ぶ

最も重要なのは、「光害(こうがい)」、つまり街の明かりが少ない場所を選ぶことです。都心から少し離れた郊外や、公園の中でも街灯が少ない場所を探しましょう。高層ビルが立ち並ぶ場所よりも、比較的開けた場所がおすすめです。
具体的には、

大きな公園の奥まった場所:

都立公園など、敷地が広い公園は、中心部から離れるほど光害が少なくなります。

河川敷:

開けていて視界を遮るものも少ないため、意外と星が見えやすい場所です。

高台や小高い丘:

見晴らしが良く、街の明かりが目に入りにくい場合があります。

完全に光がない場所は難しいですが、ほんの少しでも暗い場所を選ぶだけで見える星の数は格段に変わります。

2. 月明かりの影響を考慮する

月もまた、星を見る上での「光害」になり得ます。新月の頃は月明かりがないため、最も星が見えやすいタイミングです。逆に満月の夜は、月が明るすぎて小さな星が見えにくくなります。星空観察を計画する際は、月の満ち欠けを事前にチェックしておきましょう。国立天文台のウェブサイトなどで、簡単に確認できますよ。

3. 目を「暗闇に慣らす」

明るい場所から急に暗い場所に行っても、すぐに星は見えません。人間の目は、暗闇に慣れるまでに時間がかかります。観察スポットに着いたら、まずは15分から20分ほど、スマートフォンや懐中電灯などの明かりを使わずに、目を暗闇に慣らしましょう。目が慣れてくると、これまで見えなかった暗い星も徐々に見えてくるはずです。
もし懐中電灯を使う場合は、赤いセロハンなどを貼って光を赤くすると、目がくらみにくく、暗闇に慣れた状態を保ちやすくなります。

都心近郊のおすすめ星空観察スポット(都内・関東近郊)

ここでは、都心からアクセスしやすく、比較的星が見えやすいとされるスポットをいくつかご紹介します。

1. 都立公園(葛西臨海公園、光が丘公園など)

広大な敷地を持つ都立公園は、都心にありながらも光害の影響を比較的受けにくい場所があります。

葛西臨海公園(江戸川区):

観覧車や水族園が有名ですが、広大な芝生広場や海沿いのエリアは、都心にしては星が見えやすいと評判です。海からの風も心地よく、夏には最適です。

光が丘公園(練馬区):

都内でも有数の広さを誇る公園で、中心部から離れた場所や、木々に囲まれたエリアでは、意外と星が見えることがあります。

2. 河川敷(多摩川、荒川など)

開けた視界と、対岸の光が比較的少ないため、星が見えやすいポイントがあります。

多摩川河川敷:

特に世田谷区や調布市、狛江市など、住宅地を離れた場所では、頭上に広がる空を遮るものが少なく、夏の大三角や明るい星々を観察できる可能性があります。

荒川河川敷:

こちらも開けた場所が多く、光害の影響を比較的受けにくいです。

3. 高尾山(八王子市)

都心からアクセスしやすい高尾山は、夜景スポットとしても有名ですが、山頂付近からは美しい星空を眺めることができます。ケーブルカーやリフトの夜間運行がないため、日中に登って山小屋に宿泊するか、夜間登山(上級者向け)の知識と装備が必要です。ただし、夏休み期間中は混雑が予想されるため、事前の情報収集は必須です。

4. 奥多摩・秩父方面

少し足を延ばせば、格段に星が見える場所が増えます。

奥多摩湖(東京都奥多摩町):

都心から車で2時間ほどですが、都内とは思えないほどの星空が広がります。特に夜は静かで、水面に映る星も幻想的です。

秩父地域(埼玉県):

都心から電車でもアクセス可能で、温泉宿なども充実しています。標高の高い場所や、郊外のキャンプ場などでは、満天の星を体験できるでしょう。

これらのスポットへ出かける際は、事前に交通手段や、夜間の立ち入りが許されているか、トイレや駐車場などの設備があるかを必ず確認してください。また、お子さんと一緒の場合は、防犯や安全にも十分配慮しましょう。

自由研究にも!星空観察をもっと楽しむアイデア

ただ星を見るだけでなく、ちょっとした工夫で自由研究のテーマに昇華できます。

1. 星の動きを記録しよう!

観察した時間と方角を記録し、見えた星や星座をスケッチしてみましょう。数日間の記録をつけると、星が時間とともに動いていることがわかります。後述のスマホ撮影術を参考に、同じ場所で定期的に星空を撮影し、比較してみるのも面白いです。

2. 都会の星空マップを作ろう!

見えた星や星座を書き込んだオリジナルの星空マップを作ってみましょう。どの方向(東、西、南、北)にどんな星が見えたかを記録すると、自分だけの発見があるかもしれません。光害の有無や、建物の影響などを記録するのも、立派なデータになります。

3. 星座の物語を調べてみよう!

夏の大三角を構成する「ベガ(織姫星)」「アルタイル(彦星)」「デネブ」や、さそり座など、夏に見える星座にはそれぞれ美しい物語があります。その物語を調べて発表するのも良いでしょう。お子さんが興味を持った星座について、図鑑やインターネットで調べてみましょう。

4. 星空観察日記をつけよう!

いつ、どこで、誰と観察したか。天気や気温、月の形はどうだったか。どんな星や星座が見えたか。感想など、自由に記録してみましょう。

スマホで簡単!星空撮影術

「一眼レフカメラがないと星は撮れない」と思っていませんか?実は、最近の高性能なスマートフォンなら、意外と本格的な星空写真を撮ることができるんです!

1. 撮影場所と時間を選ぶ

まずは、以下のように適切な撮影場所と時間を意識しましょう。事前のリサーチが大事ということですね。

光害の少ない場所:

これが最も重要です。街灯が少ない場所を選びましょう。

新月の前後:

月明かりが少ない時期が、星を写すには最適です。

夜空が暗くなってから:

少なくとも日没から1時間以上は経ってから撮影しましょう。

2. 準備するもの

適切なものを使用することで、撮影がぐっと快適になります。

スマートフォン:

最近のiPhoneやAndroidスマホなら、ナイトモードやプロモード(マニュアルモード)を搭載しているものがほとんどです。

三脚:

スマホを固定し、ブレを防ぐために必須です。小型のものでも十分です。

スマホ用三脚アダプター:

スマホを三脚に取り付けるためのアダプターです。

モバイルバッテリー:

夜間撮影はバッテリーを消費しやすいので、あると安心です。

3. 撮影設定のポイント

ナイトモード(iPhone):

iPhoneの場合、自動でナイトモードが適用されることが多いですが、撮影秒数を最大(10秒〜30秒)に設定しましょう。

プロモード/マニュアルモード(Android):

ISO感度:星を明るく写すために、ISO800〜3200程度に設定します。高くしすぎるとノイズが増えます。

シャッタースピード:光を多く取り込むため、10秒〜30秒に設定します。長すぎると星が流れて写ることがあります。

フォーカス(ピント):無限遠(∞マーク)に設定します。マニュアルで一番遠くにピントが合うように調整します。

ホワイトバランス:「電球」や「蛍光灯」モードにすると、青みがかった星空になりますが、好みで調整しましょう。

フラッシュはオフ!:

必ずフラッシュはオフにしてください。

セルフタイマー活用:

シャッターを押すときのブレを防ぐため、2秒〜5秒のセルフタイマーを使うと良いでしょう。

4. 撮影後の加工

撮った写真をそのままにせず、少し加工することで、さらに魅力的な星空写真になります。

明るさ・コントラスト調整:

全体の明るさや、暗い部分と明るい部分の差を調整します。

ハイライト・シャドウ調整:

明るすぎる部分を抑えたり、暗すぎる部分を明るくしたりします。

ノイズ除去:

高感度で撮影するとノイズが出やすいので、ノイズ除去機能があれば使ってみましょう。

彩度・色温度調整:

星の色合いや、空の色合いを調整します。

これらの加工は、スマートフォンの標準カメラアプリや、Snapseed、Lightroom Mobileなどの無料アプリでも十分可能です。

星空観察のマナーと安全

星空観察は夜間に行うため、安全には十分配慮しましょう。

複数人で行動する:

特に初めての場所や暗い場所では、必ず家族や友人と複数人で行動しましょう。

足元に注意:

夜間は足元が見えにくいため、懐中電灯で照らしながらゆっくり歩きましょう。段差や障害物がないか確認が必要です。

防犯意識:

人気の少ない場所では、周囲への警戒を怠らないようにしましょう。

虫対策:

夏は蚊などの虫が多いので、虫よけスプレーや長袖・長ズボンで肌の露出を避けましょう。

防寒対策:

夏の夜でも、標高の高い場所や風の強い場所では冷えることがあります。一枚羽織るものがあると安心です。

ゴミは持ち帰る:

美しい星空を保つためにも、出したゴミは必ず持ち帰りましょう。

他者に配慮する:

他の観察者がいる場合は、光をなるべく使わない、大きな声を出さないなど、配慮を忘れずに。

まとめ:都会の夜空に隠された、もう一つの世界

「都会だから星は見えない」という思い込みを捨てて、少しだけ足を延ばしたり、工夫を凝らしたりするだけで、私たちの住む街の空にも、美しい星々が輝いていることに気づかされます。
夏休み最後の自由研究として、親子で夜空を見上げる時間は、きっと忘れられない特別な思い出になるはずです。星の輝きを通して、宇宙の壮大さや、自然の美しさを感じ、新たな発見や感動が生まれるかもしれません。
さあ、今夜は少しだけ遠回りして、都会の片隅に隠されたもう一つの世界、星空を探しに出かけてみませんか?

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